2012年8月14日火曜日

愛と幻想のファシズム

愛と幻想のファシズム(上)

まずはとにかく、タイトルがロマンチックでいいですね。
文庫版のカバーも好きです。1930年8月「ワイマール憲章称揚スポーツ大会」のポスターだそう。

村上龍さんの作品が好きなのですが、私の場合、何が好きなのかと聞かれたらやっぱり言葉選び。

内容とか題材も勿論考えさせられるものだけど、それはたぶん勉強の範疇であって、好き嫌いの問題ではないような。
でもこれはちょっと勉強度が高くて理解が大変な部分もありました。笑

あと、痛い・辛い・苦しいシーンが多くても、その先に綺麗なシーンや芸術的な言葉回しが必ずあって、それを見たいがために頑張って読み進める、という感じでもある。
カタルシスを得たいのです、たぶん。

まぎれもない政治経済小説で、作者本人の言葉で言う「お勉強」要素がとても強いのは確かなのだけど、その隙間にちらちら見えてくるもの、例えて言うなら川底の石に紛れたガラスの破片みたいなものが、惜しみなくきらきらしてる。
それがたぶん、タイトルで言う「愛と幻想」なのかな、と思いました。



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村上龍『愛と幻想のファシズム
 「週刊現代」 1984~1986
 講談社文庫 1990

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